そして…目を塞ぎたくなる出来事が起こった。
麗が、すぐそばにいる明星に手を伸ばした。
麗の両手が明星の首を掴み…。
ゴキッ
グシャ
骨が折れる音、次いで首の肉という肉が握り潰される音が響いた。
麗を見れば、涙が頬を伝っている。
瞳は揺らいでいて、自分のしたことが信じられないように思っている…ように見える。
けれど、唇近くに飛んだ明星の血を、ぺろりと舐める真っ赤な舌、喜びに口角をあげるその表情は…残虐な鬼。
ゴロンと転がってきた明星の顔。
「あ、あああ…あぐ…」
悲鳴を上げたいのに、声が張り付いて、潰れた声しか出ない。
嘔吐してしまいそうになり、慌てて口を押さえる。

