「れ、麗?」


少女が麗の身体に消えてすぐ、麗の様子がおかしくなった。


何かに耐えるかのように眉間に皺が寄り、身体はガクガクと痙攣を繰り返している。




明星が駆け寄り、麗の肩を掴んで揺らした。


「おい‼︎麗!しっかりしろ」


突如。

異変は起こった。


麗の痙攣はピタリと収まり、血走った目で明星を見つめる。

逃げて!

と叫びたいのに、恐怖のせいで声は出ないし、私も逃げなくちゃならないのに身体は動かない。


「『鬼ごっこ、スタート』」


麗の声なのに、麗の声じゃない。


麗の言葉なのに、麗の言葉じゃない。