仕方なく、私達も手を伸ばした。
莎々蘭の手に握られて出て来たのは、ただの茶色の棒。
それを見て、少女はがっかりな顔をして囁く。
「外れ…」
次に手を入れたのは明星。
明星の手に握られていたのも、莎々蘭と同様にただの茶色の棒。
そして、私が出したのも茶色の棒だった。
そして、最後に手を入れたのは麗。
「なんだこれ?」
麗の手に握られていたのは、私達三人とは違う、茶色い棒の先端が真っ赤に染められた棒だった。
「ぅひひひ…決まり。鬼は、決まった。ぅひひひ…楽しいゲームの始まり」
歌うように言う少女は、すうっと…麗の中に、消えて行った。

