「『どっちから殺そう?』」 やけにゆっくりとした足取りで二人に近づく。 包丁が銀に鈍く光ってる。 私の頬を伝うのは…涙?それとも、莎々蘭の流した血? 「う、うわぁぁぁー」 静けさと、緊張感、恐怖と、傷み。 何に耐えられなくなったのか。 明星が、麗の手をどうにか掴みながら立ち上がる。 でも、遅い。 「『ぅひひひひ…明星お兄ちゃん』」 ミナが、明星に狙いを定めた。