階段を上るミナ。 体は動かないけど、動かしている感覚はある。 疲労感も。 一気に四階分を上った私の足は、ピークに達する疲労感を訴えている。 『ミナ…まだ上?』 『この階だよお』 ようやく階段を上るのをやめて、廊下に出た。 立ち止まったのは、厨房。 『な、何をするの⁈ミナ』 『うーん?凶器の調達、かなあ』 あくまで無邪気に言うミナ。 凶器なら、厨房には沢山あるんじゃないだろうか。 ミナは、厨房で大きな肉類を調理するための包丁を手にとって、厨房を出た。 満足そうな笑顔とともに。