そう思うのに。


気が付いたら、身体が動かなくなってる。


「ぅひひひひ…ゲームは始まった。今回の鬼はだぁれ?」


ゲームが、始まった?


フラフラと、勝手に身体が動き出す。


そして、ぽっかりと空いた廃病院の入り口の中に、私を含めて四人が…吸い込まれるように入って行った。



「なんで、うちらこんなとこに入ってきたの‼︎…あれ?喋れる」


真っ先に、莎々蘭が喋り出した。


さっきまでは喋ることすら出来なかったのに、廃病院に入った途端、自由になった。


「と、とにかくここから出よう‼︎」

私が言うと、皆が頷く。


扉に近づいて、取っ手の部分に手を添え、力を込めた。


…ビクともしない。