次に目覚めたのは、廃ホテル。


大きな看板に『HOTEL』

と書いてある。


また、繰り返しゲームが始まる。


「実笑…明星…麗…ごめん。うち、みんなを…」

思い詰めたような表情と震える声で、莎々蘭は謝った。


「気にすんな」

一番に答えたのは、明星。

前回のゲームの時に、前々回鬼になった麗から、鬼になった時の状況を聞いたからだろう。

「もちろん、許す」

さらっと言ったのは、麗。

鬼経験があるからだ。


「莎々蘭。大丈夫だから」


私だって、莎々蘭を許す。

でも、直視出来ないのはきっと…体が痛みを覚えていて、ズキズキと首が痛むから。


莎々蘭であって莎々蘭でない鬼に、恐怖を感じた私は直視することができない。


でも、莎々蘭も麗をさっきから全然見ていない。

きっと、一回目に殺された時の恐怖を覚えているから。