偽善者の小坂 実笑。
何故、最後にそんなことを言ったの?
暗い暗い世界を堕ちる私は、何もすることがないから、それを考えていた。
偽善者…。
その言葉が、胸に刺さる。
だって、その言葉は私を表すのに、最も最適な代名詞だから。
昔、いじめられている子がいた。
私は、偽善の言葉を並べ立ててその子の味方をしていた。
偽善…偽りの善と書く。
そう、その子にとっては無責任な言葉でその子を期待させ、最後はその子を裏切った。
私は、苛めっ子側についた。
自分を守るため。
でも、その子には悟られないようにした。
偽りの言葉を並べ続けた。
その子がどうなったのかは、知らない。
でも、私は偽善者なのだ。

