見つかってしまった。
残虐的笑みを口元に浮かべ、私たちを見下ろす。
だが、瞳は揺らいでいて、大粒の涙が零れる。
やはり、意識はあるのだろう。
「『ぅひひひひ…さぁ、誰から殺そう?』」
無邪気な笑みで首を傾げ、私たち三人を見回す。
手に持っているのは、どこからか持ってきた鉄パイプ。
あれで殴られれば…場所によっては即死だろう。
「おい!ぼけっとすんな‼︎」
明星が一番に立ち上がり、私と麗を引き摺る。
…言葉通り。
そして、もう一つの扉から廊下に飛びだし、事前に確認していた非常階段を駆け下りる。
…私と麗も、どうにか立ち上がって明星に引っ張られるままに階段を降りる。

