カタカタと体が震えて、背中を預けている壁が、微妙に揺れて音を立てる。



「あっ…あぁ…」


止めなければ。

震えを。


もう、少女は間近まで迫っている。

この音を聞かれるまでに、震えを止めなければ。


少し、体を動かす。


ガタンッ


しかし、遅かった。

すでに震えはまともに自分の体を支えるだけの力さえ奪っていて、壁の支えを失った私は、前のめりに倒れる。



丁度目の前にあった机を、大きく動かしてしまう。


カラカラカラ…