「やばいな。二人とも、静かに。音を出さなければきっと、見つからない」


麗の言葉は、断言ではなく、願望。



それでも、私と明星は頷いた。


全ては、助かるために。


殺されないために。


…でも、なんでこんなことをしてるんだろう。


こんなことをしたって、意味はないんじゃないだろうか。


逃げ回っても、隠れていても、何も意味はない。


やるべきこともない。

殺されても、またこのゲームは始まる。


そして…殺さなければ、この一回のゲームも終わらない。


…全て、無意味なんじゃないだろうか。


「『ぅひひひひ…ここかなぁ?』」


ガラガラ…


ガタンガタン…

扉を開けて、そこらへんの物を倒しながら探しているのだろう。


大きな音が聞こえる。

それが、恐怖を呼び起こす。