全員のバラバラな反応に、クスッと笑う。

少しだけ、知らない場所に来たという不安が消えた。




「…あ⁈うわっ、なんだよこれ」


いきなりの大声に驚き、私と莎々蘭、そして明星が声のする方を見た。


声のする方には、麗がいて…何かを凝視してガタガタと震えている。


「どうした⁉︎麗」


真っ先に明星が麗に近寄った。

「⁈なんなんだよ⁈」

明星もまた、麗の見ている方を見て悲鳴に近い声を上げた。


私と莎々蘭も、近づいてそちらを見る。


「「き、きゃー‼︎」」


そこには…可愛らしい顔を歪めて笑う、血だらけの少女がいた。

少女の首は変な方向に曲がっている。

不自然に白い手足には、縫い目がある。


そして、塞がっていない傷跡も。

血だらけというのも、少女自身の血が付いているらしい。
いや、他の人の血も混ざっているかもしれない。


年は、私達よりも下に見える。

13歳ぐらいだろう。



「ようこそ」


甲高い声が、耳障りに言葉を紡ぐ。


少女の背後には、大きいがボロボロに朽ち果てた廃病院。


悲鳴を上げずにはいられなかった。