「そうだ、麗!お前に、聞きてぇことがあんだけどよ」
聞きたいこと…私が今麗に聞きたいことと言ったら前回の鬼ごっこでのことしかない。
多分、明星もそうだと…思う。
「昨日…って、日にちの感覚ねぇから昨日なのかわかんねぇけど!昨日一緒にいた、あの美人誰だよ!」
…あれ?
「お前、いつの間に…」
ゴッ
…手が、勝手に動きました。
「い、いったぁ」
因みに、今苦痛を訴えたのは私です。
何故にその話が今出る。
…まぁ、それで緊迫していた雰囲気がやんわりとしたものに変わったのも、事実なんだけど。
実際、私もクスッと笑ってしまったし。
「…冗談に決まってんだろ」
「いや、冗談じゃなかったよね?」
涙目になって訴えかけてくる明星に、間髪入れずに返す。
「…ぷはっ」
ぷは?
見れば、この繰り返しゲームが始まってからずっと無表情だった麗が笑っている。

