「莎々蘭!…何を、したの?」


先程から、莎々蘭だけ異様に怪我が多いような気はしていた。


ほぼ全身が包帯に巻かれ、真っ白なはずの包帯には、血が滲んでいる。


それは、明らかな異常で、異様。


「ぅひひひひ…昨日、このお姉ちゃんだけはすぐに殺さなかったんだあ」


莎々蘭の傷跡を指でなぞりながら、独特の笑い方をする。

「斬って、裂いて、殴って蹴って。殺さず生かさず、死よりもきつい、お・し・お・き」


おしおき?


お仕置きは、悪いことをした子供とかにするものでしょう?

莎々蘭が、何をしたというの?


何故、何故、何故、何故…?



「ぅひひひひ…このお姉ちゃんは、今回のゲーム、鬼としてじゃないと参加できないね。じゃあ、くじを引かなくても、決まってたね」


前回と同様に、すうーっと少女は鬼となった人間、今回は莎々蘭の中に消えていった。


莎々蘭の顔を歪めて笑う。


「『鬼ごっこ、スタート』」