「ぅひひひひ…じゃあ、くじをひいて」
少女の手元には、昨日と同じ箱。
どうか、鬼になりませんように。
願いを込めて手を入れようとしたけど、
突然少女が飛び退いて、箱を私たちから遠ざけた。
「そうだ…いい事教えてあげる。みんな、鬼になるのを嫌がってるみたいだけど…ぅひひひひ。この鬼ごっこでは、鬼になった回数が一番多ければ…助かる可能性も大きい。ぅひひひひ…」
箱の表面を愛おしげに撫でながら、歪んだ笑みをこぼす少女。
…鬼になった方が、助かる可能性が高いの?
半信半疑だけど、このゲームを作った人じゃないから、細かいルールを私たちは知らない。
ならば、信じるべき?
私は…助かりたい。
…例え、友達を捨てても。こんなところはもう嫌。
私、何考えてるの⁈
自分の考えてることが、信じられなかった。

