実笑side



麗は、何も言わない。


でも、味方ではないのだとわかった。



一つしかない出入り口を抑えられている今は、逃げられない。



ミナがゆっくりと近づいてきた。



「莎々蘭、自己中な莎々蘭。ミナのこの怪我はね、飛び降りた時についたものなの。莎々蘭。あなたも、落ちてみる…?自分で」




「な、何言って…!あっ、きゃー!!!!やだ、動かない。た、助けて、助けて!!いや、死にたくない。いや、いや」




莎々蘭は、不自然な動きを繰り返し、窓へと近づいて…そこから身を乗り出した。




特に抵抗もしないまま、飛んだ。