何と無く、首に違和感を感じて手をやると、ザラザラとした布の感触。


包帯が巻かれているようだ。

そして、明星と同じようにギプスも。


けれど、普通付けられるものよりも薄く、柔軟性のあるギプスは、付けていてもあまり不便ではない。


「どういう、こと…?何が、起こっているの?」


まるで、手当されたような。


「ぅひひひひ…全部全部、リセット。でも、傷は治らない。生き返っても、傷は癒えない。ぅひひひひ…だから、手当」


心の底からの喜びの笑みを傾いた顔に歪に載せ、気味悪く笑う少女。


「さぁ、今回の鬼は…だぁれ?」


少女が呟いた言葉に反応してなのか、身体が動かなくなった。


そして、前回と同様に廃ビルに向かう。


嫌だ。


もう一度、痛みさえ感じることもなく死んでしまうの?


嫌だ。嫌だ嫌だ。

「ん…んゔ…」

抵抗するために身体に力を入れる。

呻き声が漏れる。


「んぅ…」

「抵抗、する、の?」