「てなわけで!
よろしくな、瀬川」
ドサッ
目の前に、大量のプリントの束が置かれる。
『…あたし一人で?』
「おう、本来なら東野も日直なんだがな。
あいつ今日休んだろ」
どんまい、とでも言うかのように
意地悪く笑う担任。
…こいつ絶対、教師むいてない。
『バカ谷!!』
「なんなら隣のクラスの分も…」
『あぁぁすいませんでした!!』
バ…じゃない
中谷先生は
気さくで、ノリがよくて
生徒から尋常じゃない支持を受ける
数学の教師であり、私のクラスの担任だ。
『…なにが休みだし
サボりでしょうがどーせ』
今日、日直だった私と東野。
それをいいことに、あのバカ谷は
保護者会の資料作りを押し付けた。
一人、文句を言いながら
自分の教室へ向かう。

