『ほんとの家族じゃないし!』


「事実上はおまえも

 〝東野〟なんだからな」




つまり。

王子様といっても過言ではないような、
無駄に整った顔の彼は


私の、

血のつながらない家族。




『っ…うるさい!』


「ま、報告してないから
 瀬川のままだけど」




瀬川 沙穂

それが、本来の私の名前


…だったはずなのに




『あんたがお兄さんだなんて
 絶対認めないから』