「…おせえ」




耳元で囁かれる

不機嫌な声。




『ちょ…っと
 離してよ!』




力でかなうはずはないけど

それでも、必死に抵抗する。




「無理、寒い」


『はあ?!
 クーラー消せばいいでしょ!』




私の手首は、つかまれたままで。




『いい加減離してってば…東野!!』


「…ちっ」