すっと長身な体を曲げて

あたしの耳元に囁く。


普段より何倍も低い
男っぽい声。


思わず赤面してしまいそうで

だけど、それを見せるわけにもいかなくて



猛スピードで駆け出したあたし。




「どしたの?てか彼方、
 怪我だいじょーぶ?」




だから当然、何も知らない。




「全然よゆーかな」




そんな、あいつの言葉も




「…後で慰謝料、もらえるし?」




あいつの
悪魔の微笑みも

考えも





この先、何が起こるのかも。