『かっ…鍵!』 「え、鍵?」 突然名詞をあげた私に 澄川くんは、きょとんとした目をむける。 『鍵、家出る前に忘れちゃって うん、だから待つのも長いし、うん!』 ごまかせ、た? ごまかせたよね? 「へえ、大変だな」 よし、きた うなずいてくれた。 『大変なのよ、そうそう』 笑い飛ばすかのように、 私もへらへらと笑顔を見せる。 「てか…さっきから携帯のバイブすごいけど 平気?」