『…ごめん、澄川くん』
仕事中じゃケータイは触れなかったはずだ。
この時間に連絡くれるってことは
きっと早めに終わって
だから、つまり
東野さんと食事でもして
明日まで帰らないつもりだ…!!
「え、なに?」
『…この後、どっか寄り道しよ?』
一晩中、あの軽いモテ男と二人きりとか
ぜーーーーったい無理だから!!
「え、時間遅いよ?」
『なるべく遅くしましょう』
手に握ったままの携帯で
時間を確認。
そこには、19:25と表示されている。
『よし、どこにいこっかなー!』
半分ヤケになった私は、
ずかずかと進む。
澄川くんの呆れ顔に罪悪感を感じながらも
その優しさに甘えた。

