何度でも、伝える愛の言葉。


学校では高い方の俺よりも頭ひとつ身長が高く、先生とは思えない程明るく染められた茶髪。

まだ何も話していないのに、俺は子供だと言われているような気がした。



「すいません、わざわざ…」

『そんな堅い挨拶は良いから。』


言葉の通り堅くなっていた俺の緊張を解すように気さくに話すその姿は、悟の言うように良いお兄ちゃんのようだった。



『樹季くんだっけ?』

「はい、矢島樹季です。」

『悟と同級生ってことは高3か。受験は?』

「しません。音楽でやってくつもりなんで。」


澪のことを話しにきたつもりだったのに、早坂はなかなか本質に触れようとしない。



『大変だぞ、音楽でやってくのは。』

「分かってます。」

『それはメンバー全員の共通意識?』

「え?」


何気なく聞かれた言葉なのに、返答に詰まってしまう。

メンバー全員…そこにはもちろん澪も含まれている。