『俺、別にどっちの味方とかないから。』
スクールに向かう途中、悟が呟く。
背中に背負うギターがいつもより大きく見えた気がした。
「ちゃんと話してくるから。」
『負けんなよ。』
負けるかよ。
もう、絶対に負けない。
『じゃ、俺はここで。』
スクール内の一室、ドアの前まで俺を案内すると悟は別の教室へ入って行った。
思っていたよりも広く静かなスクール。
普段からこんな雰囲気なのか、緊張しているから静かに感じるだけなのか、スクール生でもない俺がここに入っても良いものなのか…
俺には何も分からない。
俺の全く知らない世界に、澪と早坂は居たんだ。
「失礼します。」
『はいよー。』
2、3度ノックをすると思っていたよりも気の抜けた声が聞こえた。
『昨日はどうも。』
ドアを開くと早坂は軽く頭を下げて俺を中へと促す。



