『あれ?』
派手に鳴っていた誠太のドラムが止まり、その視線を辿ると悟が居た。
「スクールは?」
『あぁ、ちょっと抜けてきた。早坂先生に樹季のこと話したら会いたいって言われたから。』
「え?」
思わず間抜けな声が出た。
早坂が、俺に会いたいと言った…?
昨日は何の興味もないというようにあっさり帰って行ったのに。
でも、話せるのはきっとこれが最初で最後だ。
『行ってこいよ。』
悠斗の一言に誠太も強く頷いている。
行くしか、ない。
「ちょっと行ってくるわ。」
『樹季。』
悟と共にスタジオを出ようとしたとき、悠斗が俺を呼び止めた。
『あのルール、取り消す。』
バンド内恋愛禁止。
きっと悠斗だけじゃなく、悟も誠太も俺が澪を好きだということに気付いている。
「サンキューな。」
ひとつ大きく頷いて、俺はスタジオを出た。



