何度でも、伝える愛の言葉。


『俺、ずっと樹季に言えなかったことがあるんだよ。』

「え?」


悟は何でも包み隠さず話してくれていると思っていたから、その切り出しに一瞬心が跳ねる。



『澪がバンド辞めるちょっと前にさ、澪と話しててポロっと先生の名前出しちまって。そのとき澪が先生のこと気にしてる感じだったから、俺聞いたんだ。澪は樹季のことが好きなんだよな?って。』


それは確かに初めて聞く話だった。

あのとき、悟が澪に問い詰めたのにはこんな経緯があったんだ。



「それで、澪は…?」


忘れようとしていても気になって仕方がない。

澪も良基さんに対して、ずっとこんな気持ちだったのだろうか。



『好きだよって、樹季のことが。本当に好きだって言ってた。』


もう終わった関係だったとしても、その言葉を信じたいと思う気持ちがバカみたいに強い。



『でも、俺はそれを信じることができなかった。』


なのに、俺が信じていることなんかよりもずっと悟が信じていないことの方が真実味があるのはなぜだろう。