『赤パンじゃないと気持ち入んないだよな〜。』
「気持ち入れてどこ行くんだよ。」
なんとなく、本当になんとなく思ったことが滑り出ただけなのに、なぜか悟はその場に固まった。
今日はオフだ。
出かけるのならプライベートな用事なのだろうけど、聞いてはまずかったのだろうか。
『ちょっと知り合いに会いにさ。行くんだよね。』
「ふーん。」
悟はほんの今まで騒いでいたのが嘘のように静かになって、別のパンツを大人しく履いている。
一緒に住んでいるからといって悟の生活に深入りするつもりはないし、根掘り葉掘り聞こうとも思わない。
それでも気を遣われていることを身体が感じ取っていた。
「悟、俺に気遣わなくて良いからな。」
『えっ?何が?』
あからさまに目を逸らす姿に、思わず分かりやすいなぁと呟いていた。
「彼女でもできたんだろ?」
『え、』
最近の悟は妙に楽しそうで、オフの日もオシャレをしていそいそと出かけて行く。
もしかして、と思っていたけど今の反応を見て確信に変わった。



