「もうひとりにしないって約束したから、って。」
その言葉を聞いた瞬間、澪の目から再び涙が溢れた。
俺が2人に出会うよりも前に2人が交わしていた約束。
その約束を、良基さんは破らずに守り続けてきた。
「スクールで2人の仲が噂になったことも、澪は何も悪くなくて全部自分のせいにすればもう澪は傷付けられずに済むんじゃないかと思ったからで…」
泣いている澪を前に良基さんの話をするのは、思っていた以上に苦しかった。
「澪が傷付けられずに済むなら、俺のことは酷い奴だって忘れてくれればそれでいいって…そう言ってた。」
『なに、それ…。』
言葉にならない澪の気持ちが手に取るように分かる。
良基さんの望みを、精一杯の強がりを、受け継いで守ることなど俺にはできなかった。
「悟からメンバーが皆良い奴だって聞いて安心して澪を勧められたって。
それに4人も男が居れば澪のこと大切に思ってくれる奴もひとりくらいできるかもしれないから…そこまで考えてくれてたんだ。」
澪はもう相槌も返事もできずにただ泣いている。



