何度でも、伝える愛の言葉。


『樹季くんは、どうして先生に会いに行ったの?どうして先生から聞いたこと隠してたの?』


だけど本当は、心のどこかでまだ期待してもいた。

本当のことを話すときなんて来ないんじゃないかって。

ずっと一緒に居られるんじゃないかと、無邪気に信じている自分が居た。



「悟から、澪がスクールを辞めたのは先生と噂になったからじゃないかって聞いたんだ。その先生が早坂先生だって聞いて、俺はどうしても会ってみたくなった。
澪がスクールだけじゃなくピアノまで辞めようとする程のことがあったんじゃないかって勝手に思って、それで。」


澪は静かに聞いている。

自分が知らない良基さんのことを知りたいと思う気持ちがその沈黙から伝わってくるようだった。



「早坂先生が澪を傷付けたんじゃないかって思って、会ったら思いっきり責めてやろうとか考えてた。
でも違ったんだ。早坂先生が澪をバンドに勧めた理由は、澪をひとりにしない為だった。」


あのときの良基さんの表情が浮かぶ。

本当に大切な人を想う、とても誠実な目だった。