『三好さん全部気付いてたんだって。先生が三好さんに言ったこと全部、嘘なんだって。』
「じゃあ、なんで…?」
その嘘を嘘のまま澪に伝えてしまったのか。
『三好さんも先生のことが本当に好きだったから、嘘だって気付かないフリして私にそのまま伝えたんだって。』
「そんな…。」
それを聞いた澪の、取り返しがつかなくなったと気付いたときの良基さんの気持ちを思うと怒りがこみ上げてくる。
好きな人に自分の気持ちが届かないと知り絶望した三好さんの気持ちも分からなくもない。
100%悪いと決めつけるのも良くないと分かっている。
だけどそこで嘘だと受け入れてくれていれば…澪も良基さんも俺も、こんな風に悩み傷付かずに済んだかもしれないのに。
『三好さんのこと、悪く思わないで。』
まるで俺の心を見透かしているかのように澪が言う。
まっすぐに見つめ続ける目にもう涙はなくて、これから言う澪の言葉に嘘はないと感じさせた。



