何度でも、伝える愛の言葉。


2人の思い出の中に俺は居なくて、疎外感でも孤独感でもなく圧倒的な敗北感だけがここにあった。



『何してても、あぁ今ここに澪が居てくれたらって…そんなことばっかり思って。澪を傷付けることでしか澪を守ることができなかった自分のことが嫌で嫌で仕方ないんだ。』


返す言葉が見つからなかった。

自分のことなど最低な奴だと忘れてくれればそれで良い、そうすることでしか澪を守ることができないと言っていた良基さんの姿が頭に浮かんで離れない。

あの頃は気を利かせているのか不器用なのか分からない良基さんの話を聞くことに精一杯で、その言葉に隠されていた気持ちまで見通すことができなかった。


良基さんは、ずっと嘘をついていたのだ。



『バンドに入ればそこが澪の居場所になってくれると思った。でもそこでまた傷付けられてたら意味ねぇよな…。』


ライブハウスの片隅で数人の女子に囲まれていた姿を思い出す。

『この子のピアノ聴きたい人居るから、ここに。』

あのとき言ったその言葉だけが、きっと良基さんの本心だったんだ。