何度でも、伝える愛の言葉。


『言っただろ。俺はもう澪のことは忘れるって…』

「正直に答えてください。」


正直に答えてくれるまで、何度だって聞くつもりだった。

そんなに苦しそうな顔をして言われたって、もうそれを素直に信じることはできないんだ。

今までの俺は、良基さんと向き合うことをきっとどこかで避けてきた。

良基さんの嘘や強がりを分かっていながら、澪の傍に居たい気持ちだけで見て見ぬ振りをしていた。


向き合わないといけない。

せめて最後だけは。



「もう嘘をつくのはやめてください。」


まっすぐに顔を見て言った俺に、良基さんはハッとしたような表情を見せた。

ようやく自分の嘘が通用していなかったと気付いたのか、何かを諦めたように零す。



『忘れるって言ったけど…無理だった。』


今度は良基さんの声が震える。



『今だって毎日のように思い出すんだ。俺がどうしようもなく沈んでたとき、同じ気持ちになって寄り添ってくれた澪のことを。』


俺にはどうしたって知ることができない、2人が積み重ねてきた時間。