何度でも、伝える愛の言葉。


『樹季、何があったんだ…?良いから話してみろ。』


優しく、だけど有無を言わせぬ声。

俺はひとつ深呼吸をしてから話し始めた。


澪が悟に俺と良基さんのどちらが好きかをメンバーの前で聞かれたこと。

俺が何も知らないとでも思ってるのかと言われたこと。

それを聞いて部屋を飛び出してしまったきり、未だ話せていないこと。



「良基さん…1年って短いようで長いですよ。超えられるって思ってたけど、無理でした。」


大人からしたら1年なんてあっという間で、1年前のことは昨日のことのように感じるのかもしれない。

でも俺たちの、高校生にとっての1年はとても長い。



「悟に俺と良基さんのどっちが好きかを聞かれて答えられなかったことが、澪の答えだと思います。」


良基さんは俯いたまま何も言わない。

もう分かっているはずだ。

澪の答えも、今の気持ちも。



「澪はまだ好きなんですよ、良基さんのことが。」


認めたくなかった気持ちを言葉にしてしまうと、もうそれが事実としか思えなくなる。