私が居ないところで私のことを守ってくれていたなんて。
先生だって何も悪くないのに。
自分は孤独なままで、私にはバンドという居場所を与えてくれた。
どうして、どうしてそんなに優しいの…?
どうして私にそこまでしてくれるの…?
『先生はきっと…ううん絶対、今でも日々野さんのことが好きだと思う。』
先生が今私のことをどう思っているかは分からない。
それでも今すぐに、とにかく先生に会いたい。
スカートのポケットの中でスマホが震える。
見ると樹季くんからのメールの返信だった。
『俺も話したいことあるから、今から行く。』
たった一行、それだけで鼓動が速くなる。
伝えなければ、しっかりと。
今のこの気持ちを。
「ごめんね、私行かなきゃ。」
『うん、今まで本当にごめんね。…ピアノ聴きたくないなんて言って。先生は絶対日々野さんのピアノが好きだよ。』
「本当に、話してくれてありがとう。」
三好さんと別れて、樹季くんの元へ急ぐ。



