『日々野さんと別れて私のところに来てくれるなんて、あのときの先生見てたらそんな可能性ゼロだって分かってた。
それでも2人が付き合ってることを認められなくて…だから日々野さんには先生の嘘に気付いてないフリをして話したの。』
「三好さん…。」
『本当にごめんなさい。』
あの頃の攻撃的な視線からは想像もできないくらい率直に頭を下げる三好さんから、その気持ちの深さを感じる。
「話してくれてありがとう。」
『ううん、もっと早く話すべきだった。
日々野さんと別れた後の先生、見てられなかったよ。生徒と接するときは明るく振舞ってたけど、暗い顔してることが多くなって。』
私が知らない、会うことができなかった頃の先生の姿。
別れてスクールを辞めてからの先生の様子は誰からも聞いたことがなかった。
『私が好きになった先生は、楽しそうにギターを弾く、いつもニコニコしてる先生だった。でもそれって、日々野さんと一緒に居たからなんだね。』
孤独を分け合い、誰よりもお互いを必要とし、お互いがこの人じゃないと…と思い合っていたあの頃。



