『樹季。』
「うん?」
『澪の前で変なこと言って悪かった。澪のことも傷付けて。あんなこと言うつもりじゃなかったのに…俺のせいで気まずくさせたよな。』
突然話を振られて思い返す。
澪は今、どこに居るのだろう。
「分かってるよ。俺らは俺らでちゃんと話すから大丈夫だ。」
そんな予定は全くないし澪の答えを聞くことも怖いけど、これが悟を安心させるための精一杯の答えだった。
『悠斗も。灯里ちゃんとのこと、応援してるから。』
『あぁ。俺も正直そっちに傾いてる自覚あったし、これからはもっと気持ち引き締めて音楽やるから。』
そして悠斗も、もう前を向いている。
今ここで4人の気持ちがひとつになった気がした。
だから余計に澪の不在を意識してしまう。
『俺さっき、澪ちゃんと話したんだ。』
「え?」
何気ない誠太の言葉に驚きの声が漏れる。
誠太は自分が出て行った後の会話を知らない。
澪が悟に言われた言葉を、誠太は聞いたのだろうか。



