『澪はそんな適当な気持ちで付き合うような奴じゃないよな。』
「悟くん…」
何も言えなかった。
ただその言葉が胸に突き刺さる。
『今日頑張ろうな。』
何か言いたいのに、悟くんはそれだけ言うとメンバーの輪に入って行った。
「樹季くんが好きだよ。」
私の呟きは誰にも聞こえることなく空気に溶けていく。
『次Refrainさん準備お願いします。』
運命のときはすぐにやって来て、私たちの出番になった。
5人で円陣を組み気合いを入れる。
ステージに出る直前、目が合った樹季くんは『大丈夫』だと言ってくれている気がした。
大丈夫。
練習通りすれば、絶対に。
その後のライブはまさに理想通りの出来だった。
音と歌声がひとつになって、今までで1番良いライブをしていると実感していた。
私たちはもしかしたら本当にデビューできるのかもしれない。
そんな予感と期待を、誰もがワクワクしながら抱いただろう。



