『おはよ〜』
ライブハウスに着き控え室へ入ると既にメンバーが揃っていて、誠ちゃんがいつもの能天気な声で迎えてくれる。
『おう。』
悠くんは今日もクールだ。
緊張していないはずはない。
それでもいつもと変わらず振る舞ってくれる2人に安心感を抱く。
『今日は2人とも彼女来るんだろ?良いねぇ〜。』
『お前は彼女と一緒に出てんだろ。』
樹季くんと悠くんが平常心で話している姿を見ながら、私も緊張を落ち着ける。
『澪。』
3人の輪から少し離れたところで悟くんが呼ぶ。
『大丈夫か?』
昨日のことを何か言われるかと思ったけれど、口から出たのはそんな優しい言葉だった。
「うん、大丈夫。ありがとう。」
『昨日はごめん。』
「えっ?悟くんが謝ることなんて何も…」
私がひとりで過去を思い出して心乱していただけで、悟くんはずっとそこに居てくれた。
『樹季のこと好きかなんて、変なこと聞いて。』
「それは…」
疑わせてしまうような言動をしたことは自覚している。



