だけど良基さんが俺に言ってくれたように、俺も良基さんの言葉を信用できる。
この人こそ、嘘とかつけなさそうだから。
『でも手強いぞ、俺はきっと。これでも1年付き合ってたんだから。思い出だってそれなりにある。』
「分かってます。」
初めて向けられた、少し攻撃的な言葉。
だけどそれも全部、俺と澪を想っての言葉。
『1年なんてあっという間だよ。だからすぐに超えられる。時間も、思い出も。』
その表情から目が離せない。
『超えろよ。』
俺は力強く頷きながら思う。
この人の、出会ったときの澪と同じような“人を信用していない”目を、救ってくれる人がいつか現れますようにと。
俺はこれから澪を少しずつでも変えていきたい。
その目を、幸せや喜びで輝く目に。
だから良基さんにも…。
生意気なことも、おこがましいことも分かってる。
ただ良基さんには、幸せになってほしい。
今はまだ暗いその目がいつの日か明るくなるように。
心の底から、そう思った。



