「なんか最近、ちょっと様子おかしくて。」
気を遣うなという良基さんの言葉に甘えて、率直に切り出した。
『様子?』
「うまく言えないんですけど、ときどき温度差感じるっていうか。
俺ら今デビューに向けていろいろ動いてるんですけど…』
『そこでの温度差か。』
自分でもまだうまくまとまっていない話を悟ってくれる。
デビューに向けての気持ちを確かめ合ったときの、ほんの少しの違和感。
『前にも言ってたよな?デビューしたいとは言ってくれたって。』
「はい。でも…」
『でも?』
今の澪からは、デビューしたいという気持ちを感じることができない。
何かに迷い、躊躇い、その想いをひとりきりで抱えているような。
沢山の封筒で膨らんだバッグを見る。
この封筒の中に、澪の気持ちは入っていないのではないか。
ひとり分だけ漏れた俺たちとは違う気持ちが、どこかにあるのではないか…。



