『矢島ー!』
翌日の学校、昼休みに担任から声をかけられる。
「なんすかー」
『なんすかーじゃないだろ、先生に向かって。』
「あ、さーせん」
『すいません、だろ?ったく…』
担任の島本先生は30代後半の小太りの男性教師で、その親しみやすいルックスで生徒から慕われている。
『お前、進路のことちゃんと両親と話し合ってるのか?音楽でやっていきたい気持ちは分かったけど、念のためひとつでも大学受けといた方が良いんじゃないか?今からだって間に合うぞ。』
3年の夏。
進路はしっかり決めておかないといけない時期だ。
「俺は音楽でやってくんで!」
『お前らも頑固だなー。永野も遠山も北見も同じこと言ってたよ。』
昨日、気合いを入れ直したところだ。
音楽でやっていきたい。
何の実績もない俺らには厳しいって分かってるけど、だからこそどこまでやれるか勝負したい。
そんなことを考えている頭の片隅に、昨日見た澪の表情を思い出す。
『あ、そういえば。一緒にバンドやってるもう1人の子、誰だっけ?ほら、北見と一緒に通信通ってる。』
そのタイミングで先生から澪の話が出て驚く。



