『やめてよ…悠くんが謝ることなんて、ひとつもないんだから。』
「でも…ひとりでずっと悩んでたんだろ。」
『ひとりで…全部ひとりで勝手に決めちゃった。』
両手で顔を覆い、溢れる涙を隠した指の隙間から消えいりそうな声が聞こえる。
『そんな気持ちで傍に居ちゃいけないって思って…1番ちゃんと話さなきゃいけない悠くんに何も言わずに離れて…ごめん。本当に…ごめん。』
今にも崩れ落ちそうな程弱々しく謝る灯里を見ていられなくて、その肩を抱き寄せて腕の中に閉じ込めた。
「謝んなよ、怒ってないから。」
『怒ってよ。悠くんが怒ってくれないと…そんなに優しくされると…自分がますます嫌になるよ…。』
久々に触れた灯里は、やっぱり細くて小さくて温かい。
あの時、灯里が離れて行ったんじゃない。
この大切な存在を、自分から手放してしまったのかもしれない。
「なぁ灯里。俺と離れた後、俺のことどう思った?」
1度、そっと身体を放して聞く。



