「俺、灯里に会ってくる。会って、ちゃんと話するよ。」
会わなければいけない。
話さければいけない。
その為に、俺は歌を作ったのだから。
『悠斗…大丈夫だよ、お前なら。』
「ありがとな。」
本当ならば本番ギリギリまで合わせなきゃいけないのに、4人は俺の背中を押してくれた。
控え室を出てロビーへ出ると、開場を待つ人でごった返していた。
これから出演する俺がここに居たって誰も気付かない。
だけどたったひとりだけ、俺の存在に気付いた人がいた。
「灯里…」
人混みに埋もれてしまいそうな小柄な体。
肩に届く程のふわふわとしたボブヘアー。
いつも着ているのは、決まって膝下丈のワンピースだった。
1日たりとも忘れたことはない。
その灯里が、今目の前に居る。
『悠斗…』
俺を見つめる瞳が大きく見開かれ、動揺でゆらゆらと揺れる。
ずっと、ずっと会いたかった。



