何度でも、伝える愛の言葉。


「いろいろ、あったんでしょ?」

『いろいろあった。いつかちゃんと話さないとって思ってた。』

「うん。樹季くんも言ってた。」


すぐ隣にある悠くんの肩から、かすかな緊張感が伝わってくる。



「前に言ってた、彼女さんのこと?」

『ああ。あのときは言えなかったんだけど…実は、少し似てるんだ。』

「似てる?」

『灯里と、澪。』


会ったことのない、悠くんの忘れられない彼女。

その彼女と私が、似ている…?



悠くんはその後、全てを話してくれた。


灯里さんと私を重ね、灯里さんに似ている私を好きになろうとすることで灯里さんを忘れようとしたこと。

だけど本当には好きになれなかったこと。

そのことに気付いた樹季くんが悠くんを問いただし、悠くんはそれを認めてもう1度彼女と向き合うと決めたこと。



『本当にごめん。最低だよな、俺。』


表情が見えなくなる程深くうな垂れた悠くんは、とても傷だらけに見えた。

そこまでして、彼女を忘れたかった?

だけど実際は忘れられてなんかいない。

今もまだ、彼女の面影を抱え追い続けている。