『それは、俺のせいだと思う。』
しばらくの沈黙の後で早坂が呟く。
思う、と言ったけれど、確実にそうだと感じているような諦めと共に。
『澪は、俺のこと何も言ってないのかな?』
「はい、何も聞いてません。」
『そっか…。』
何も聞いていないけれど、澪が早坂のことを気にしているのは確かだった。
「澪と何があったんですか?どうして澪は、俺たちに心を開いてくれないんですか?」
俺の切実な訴えに、早坂はひと呼吸置いてから答えた。
澪と出会い、そして2人に起こったこと全てを話してくれた。
そして俺は、澪は中学時代にも深い傷を負っていたことを知った。
あんたのピアノなんか誰も聴きたくない…。
澪がライブハウスで言われていたあの言葉は、もっともっと以前から澪を苦しめていたものだったのだ。
その後早坂に出会い1度立ち直った澪が再びその言葉を聞いたとき、どれ程心をえぐられただろう。
想像しただけで俺の胸が痛む。



