わたしがなにも言えないでいると
「いくぞ」
といって教室をでていった。

私はあわてて裕也を追いかけた。

「おっ裕也!らぶらぶだな!!」

周りからのちゃかした声が
胸に刺さる。

私達きょうでおわりなのに…。
そうかんがえるとなんだか私が悲しくなってきた。

お互いに黙ったまま学校をでてあるいていると

裕也が言葉を発した。

「公園よっていい?ちゃんとはなそう?」

わたしは小さくうなずいた。
私達は公園のベンチに二人で座った。

「別れるって、なんでなんだよ?」
裕也が静かな声で聞いてきた。
「ごめん。ほんとごめん。」
わたしは、それしかいえなかった。

「だから、理由になってねえんだよ。俺は別れたくない。何かあるならちゃんといってほしい。あや一人で抱え込まずに俺にも相談してほしい。」

裕也の優しさに、涙がこぼれた。
このまま、裕也と付き合ってた方が幸せかな、と思った。

そんな気持ちとは裏腹に
やっぱり櫻田くんのことが頭に浮かぶ。
わたしって最低だな、とやっぱり自分でおもう。

「裕也はなんも悪くないの…
あのね…わたしね、気になる人が…いるの…。」

わたしははっきり言った。
ここまで言ったら私のこと最低だって裕也もおもうはず…

ゆっくり、裕也の方を見た。