あたしがみんなに言うと「そうなんだ」や「よかった」などと言った声が聞こえた。
「よかった」は、恐らく勇人のことが好きな女の子が言ったのだろう。

「あ、あの!」

教室が騒がしくなったと思ったら一人の女の子の声でまた、静まり返る。
中学校も一緒だったから知っている。
宇佐美美咲。
スタイル抜群で勉強もできてみんなに優しい子だ。

「笹峰さんは池上君のこと好きじゃないんだよ・・ね?」

「うん、そうだよ?」

「私・・、池上くんのことが好きなの」

教室はまた騒がしくなった。
中には宇佐美さんのことが好きだったらしくショックを受けてる人もいる。

「え、と・・」

いきなりのことで戸惑ってるあたしに宇佐美さんは続けて言う。

「でもね?
池上君は私に全く興味がないんだ。
だから私、全然話したことがないの。
私の恋・・協力してくれないかな・・?」

協力・・。
協力くらいなら・・、いいよね?
別に勇人のこと好きじゃないんだし・・。

「うん。いいよ」

「本当!?
ありがとう!!」

可愛い・・。
勇人、きっと好きになるよね。