ググッと伸びて
ドルフィンキックをして
一気に手足をかき出す
バシャンバシャンと
体に当たる水
居るはずの敵は見えない
あたしだけの、世界だから。
……あっという間、だった
『ピピーーッッ!!!!!!』
鳴り響く合図に
激しく鳴り止まぬ歓声
壁についた右手が
今になって震えだした
震える手でゴーグルを外す。
はぁはぁ、と、荒い呼吸を肩でしながら状況を掴もうとするや否や、突然あたしの体は浮いた。
「ひゃあッッ!?!?」
突然腕を掴まれて、持ち上げられて、気付いたら温かい体温に包まれていた。
「ぐえぇえーっ!!!!」
潰されそうな力で意識が朦朧とする中、抱きしめられていると判断するのには、そう時間はかからなかった。
「………へ」
頑張って潰された顔を上げてみると、あたしを抱きしめていたのは、
「……河村…先生?」
鬼顧問、河村先生で。
『笹崎ッッ!!』
「ぐわッッ!?!?」



