『そっか…じゃあ石橋とは付き合ってないんだよね?』

「…うん」


『ごめんね、呼び出した上に勘違いしてて』



佐々木君は照れくさそうに、申し訳なさそうに謝った。




やっぱり良い人なんだ、と思うと同時に、こんな良い人をフるという罪悪感が湧いた。






「ありがとう…」





これが今、あたしの出来る最大限の事。




こんなあたしを、いつからかずっと想っていてくれた。


話した事も無いのに…

あたしは佐々木君を知らなかったのに…






佐々木君や、
瑠璃や、
有美。

京司や、琉依や
壱。



それにあたしだって。






悩んで悩んで
進んでいくんだね。




辛い事がある

それは当たり前。






それをどう乗り越えていくのかが、生きるって事。